[ SERIE A 21/22 ]
守備時と攻撃時の可変システム
カリアリ守備時① 5 – 3 – 2
両ワイド(18・29)がディフェンスラインに下がり5バックに移行し、ハーフウェイライン手前から守備開始。右サイドの展開にはナンデス(18)が、左サイドの展開にはダウベルト(29)が上がった4-3-3で対応する。
カリアリ守備時② 4 – 4 – 2
後半から、ナンデス(18)が1列上がってデイオラ(14)がセンターで深さを取る変則の4-4-2へシステムを変更。終盤の選手交代後は、マリン(8)とナンデス(18)が中央にスライドしたフラットな4-4-2に移行する。
カリアリ攻撃時① 3 – 4 – 1 – 2
カリアリのビルドアップは変則の3バック。ゴディン(2)・チェッピテッリ(23)・マリン(8)のトライアングルで相手フォワードのプレッシャーを回避。チェッピテッリ(23)がサイドに開いて両ワイド(18・29)が1列上がった3-2-3-2のパターンを併用する。
カリアリ攻撃時② 3 – 5 – 2
両ワイド(18・29)が高い位置に上がる3-5-2。両ワイドの上下動の幅が広く、ピッチを大きく使う。
ミラン守備時 4 – 2 – 3 – 1
カリアリのビルドアップにはジルー(9)が最終ラインのコースを限定し、1列後ろの3枚と縦に並んだ前方ボランチの4枚でマークを受け渡す。自陣に押し込まれてからは、相手ワイドにサイドバックがあたり、空いたスペースをボランチがカバーする。
ミラン攻撃時① 2 – 4 – 3 – 1
4-2-3-1から両サイドバックと両サイドハーフが1列上がり、2-4-3-1でビルドアップを始める。
ミラン攻撃時② 3 – 3 – 3 – 1
2-4-3-1の2バックから3バックへの変化形。最終ラインにカラブリア(2)が残るパターン、ボランチの1枚が降りるパターン、ディアス(10)が2列目に下がってサレマーカーズ(56)中央にスライドするパターンと、多様な組み合わせでカリアリを翻弄する。
ミラン攻撃時③ 3 – 2 – 3 – 2
3-3-3-1から2トップに移行し、3-2-3-2に変化。このシステムも、最終ラインにカラブリア(2)が残るパターン、ボランチの1枚が降りるパターン、ディアス(10)が2列目に下がってサレマーカーズ(56)中央にスライドするパターンと、選手配置は多岐にわたる。
前半のポイント
ミランのポジショナルプレー
ボール保持率でカリアリを圧倒するミラン。2バックと3バックのシステム変更の過程で目まぐるしく選手の配置が変化する。
4-2-3-1からエルナンデス(赤19)が1列上がった3-3-3-1。
サレマーカーズ(赤56)が中に入り、ディアス(赤10)がサイドに流れた3-3-3-1。
トナーリ(赤8)が最終ラインに降りると両サイドバックが1列上がり、3-3-3-1に。
両サイドバックが1列上がった状況から、カラブリア(2)・サレマーカーズ(56)・ディアス(10)のトライアングルが半時計回りに回転。カラブリア(赤2)がウイングの位置まで張り出した3-3-3-1に。
後半のポイント
左サイドからの崩し
カリアリが4バックに変化した後半は左サイドを多用。バリエーションに富んだ崩しでカリアリを翻弄する。
60分。ミランの2-4-1-3に対し、カリアリは変則の4-4-2。下がるクルニッチ(赤33)を追いかけるマリン(白8)。ナンデス(白18)が下がってカバー。トナーリ(赤8)は前へ。
ミランは2-3-2-3、カリアリは4-3-3の状況。ナンデス(白18)が下がってできたスペース(緑○)に入るディアス(赤10)めがけ、クルニッチ(赤33)がペドロ(白10)とマリン(白8)の門を抜く。
フリーでターンしたディアス(赤10)は、デイオラ(白14)とナンデス(白18)の門を通してレオン(赤17)へパス。サレマーカーズ(赤56)が中央に入り、トナーリ(赤8)が外を周る。
レオン(赤17)とチェッピテッリ(白23)の1対1。レオン(赤17)は縦に仕掛けるが、得点には至らず。
66分。交代直後のザッパ(白25)がレオン(赤17)とマッチアップ。ケア(赤24)から一発でレオン(赤17)へ。
胸トラップ。
抜け出す。
センタリングはゴディン(白2)に弾かれコーナーキックに。
69分。ベナセル(赤4)からトモリ(赤23)へ。エルナンデス(赤19)のインナーラップに合わせ、レビッチ(赤12)が下がる。
トモリ(赤23)からの縦パスをレビッチ(赤12)が流す。
エルナンデス(赤19)が抜け出すが、またしてもゴディン(白2)のカバーに阻まれる。
第2節を終えて
カリアリの2トップに対し、ミランは3バックに変化して最終ラインの数的有利をつくる所から攻撃のスイッチが入るが、3バックが誰の組み合わせでも連動したポジショニングでパスコースを確保する、精度の高いポジショナルプレーを見せた。カリアリが4バックに変化した後半は、縦に強い左サイドで1対1のウイングプレーを仕掛け、カリアリを翻弄。ピオリの采配が光った。
画像引用 : DAZN